令和7年度まちづくり懇談会 議事概要

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令和7年度まちづくり懇談会 議事概要

開催日時

令和7年10月31日(金)午後2時―午後4時

開催場所

市民センター401室

出席者数

合計57名〔自治会関係39名 行政15名 議員3名〕
事 務 局 6名〔企画部長 市民参画・協働推進課〕

1 主催者あいさつ(芦屋市自治会連合会会長 天井 裕一)

本日の懇談会は「防災」をテーマとしております。昔は「地震・雷・火事・親父」と言われたものですが、現代においては「地震・雷・火事・水害」と捉え、防災への意識を高めていくことが重要であると考えております。

芦屋市は、過去から繰り返し大規模な水害に見舞われてきた地域であり、そのたびに河川の氾濫などの被害が生じてきたため、国の支援による治水・治山対策が継続的に進められてきました。

そして本年、阪神・淡路大震災から30年という節目を迎え、改めて防災について考える機会となりました。

本日の懇談会は、例年通り2部制で進行いたします。第1部では、行政に対し、文書で提出された質問事項について、行政からの回答を伺います。

第2部では、皆様同士で活発な意見交換を行っていただき、地域の課題や困りごとについて、自由な議論を深めていただきたいと考えております。

行政の皆様には、自治会の皆様の生の声に耳を傾けていただけることとなっています。

また、本日は、野村消防長、橋爪消防署長にもご臨席いただいております。

専門的な見地からのご意見も伺えるかと存じますので、ぜひ参考になさってください。

短い時間ではございますが、実りある懇談会となりますよう、皆様のご協力をお願いいたします。

2 市長あいさつ(芦屋市長 髙島 崚輔)

令和7年度まちづくり懇談会にたくさんお集まりいただきまして、ありがとうございます。

また、このような場を設けていただきました自治会連合会の皆様ありがとうございます。

防災は、市の総合力が試される重要な課題であり、そのためには平時からのコミュニケーションが不可欠です。

本日、皆様との対話を通じて、顔の見える関係を築き、日頃から話せる関係を深めていくことができれば幸いです。

さて、今年は阪神・淡路大震災から30年という節目の年であり、市としても防災に力を入れてまいりました。

来年1月には、市内各拠点の避難所、主に小学校において、地域に根差した防災訓練を実施する予定です。

これは、地域住民の皆様のご協力があってこそ実現できるものであり、心より感謝申し上げます。

市としても、防災への取組を強化しており、来週11月5日「津波の日」には、Jアラート訓練と連動した庁内訓練も実施いたします。

能登半島地震の教訓を踏まえ、いつ起こってもおかしくない災害への備えとして、市役所としても万全を期してまいります。

本日皆様と対話させていただくことも、その重要な備えの一つであると考えております。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。

3 懇談第1部:回答書に係る質疑応答(市との意見交換の場)

(1) テーマ1:発災前(避難所・貯蓄備品関係)

(自治会)

備蓄食料についてお伺いします。

現在、小中学校の防災倉庫等に集約して保管されているとのことですが、想定される避難者数に対して、どのくらいの期間を賄える計画となっているのでしょうか。

(芦屋市)

備蓄食料については、拠点避難所に約6万3千食を用意しております。

南海トラフ巨大地震で想定される避難者数約4,200人に対し、約5日分の備蓄量となります。

これでは十分とは言えない部分もあるため、皆様にも最低3日、できれば7日分の備蓄をお願いしております。

また、拠点避難所には貯水槽も整備しており、保存水も約3万本用意しております。

他の行政からの支援物資も想定しており、数日分の対応は可能と考えております。

(自治会)

小学校単位での備蓄についてお伺いしましたが、南芦屋浜地区には小学校がありません。

総合公園には水などの備蓄があるとのことですが、それ以外の場所には何もありません。

防災訓練会を立ち上げようとしましたが、資材の不足を指摘されました。南

芦屋浜地区における備蓄について、どのように考えておられますか。

(芦屋市)

南芦屋浜地区についても、総合公園に備蓄をしておりますので、全体としては備蓄量は足りていると考えております。

拠点避難所には、アルファ化米やビスケット、7年保存パンなどを備蓄しております。

(自治会)

先日、台風による水害被害で総合公園に避難された方がいらっしゃいましたが、毛布なども不足していたと伺いました。

南芦屋浜地区も芦屋市の一部ですが、備蓄計画において、地域ごとの差がないよう配慮されているのでしょうか。

(芦屋市)

特定の地域に偏ることなく、地域によって差が出ないよう、備蓄量を調整しております。

この旨、ご理解いただきたいと思っております。

(自治会)

質問No.1の回答では、平成29年に策定された計画に基づいているとのことですが、10年後の令和9年には見直しがなされると思います。

その際に、今回の意見も踏まえて検討していただきたいです。

南芦屋浜地区は人口が増加しており、現状の計画が実態に合っているか検討をお願いします。

また、2年前に質問した通学路での熱中症対策についても、市長のご発言をきっかけに、総合公園の管理事務所が休憩所として利用できるようになりました。

このように、行政からの後押しで物事が前進した事例があります。

今回出した意見も、次回の計画策定に繋げていただきたいです。

(自治会)

南海トラフ地震における津波を想定した場合、倉庫内の備蓄品をどのように運搬するのか、また、北側の山側にも備蓄拠点を設けるべきではないかと考えます。

さらに、広域的な災害となった場合、交通アクセスが課題となり、南北の移動が困難になる可能性も懸念されます。

これらの点について、どのようにお考えでしょうか。

(芦屋市)

備蓄については、スペースの問題もあり、拠点避難所に集約し、そこから運搬する形をとっております。

発災直後には職員が駆けつけようとしますが、皆様のお力も借りながら進めていく必要があり、協定を結んでいる事業者とも連携してまいります。

交通アクセスの問題についても、様々な状況を想定して対応できるよう進めております。

令和8年1月25日の防災総合訓練では、拠点避難所の開設訓練を実施し、課題を抽出して改善してまいります。

また、皆様からのご意見を参考に、より良い対策を進めてまいりたいと考えております。

(2)テーマ2:発災前(その他)

(自治会)

今年度運用が開始された「あしや防災ポータル」では、防災倉庫の利用方法や防災マップの利用以外に、どのような情報が得られるのでしょうか。

(芦屋市)

「あしや防災ポータル」では、災害時の情報として、防災行政無線、避難情報、避難所の開設状況など、芦屋市がどのように動いているかのリアルタイム情報を提供します。

また、日頃の備えに役立つ天気予報、雨量情報、ライフライン情報、防災に役立つ情報なども集約して閲覧できるようになりました。

内部システムも更新し、被害状況の報告や対応指示、避難者数、物資量などを一元管理できるようデジタル化を進めております。

(自治会)

高潮のハザードマップは、最悪のケースを想定して作られていることは理解しています。

ただ、あれだけ立派な護岸ができており、台風で壊れるとは思えません。

護岸が健在な場合にどういう状況になるのか、その想定も知りたいです。

自主防災会として、避難先や人数などを考えるための材料にしたいので、何とか情報提供してもらえないかという思いがあります。

(芦屋市)

ハザードマップは、防災意識を持っていただくために、護岸が壊れた状態も想定して作成しています。

過日の高潮被害のあと、護岸は高さも十分に確保し、強固になっていますが、自然が相手ですので想定外もあり得ます。

現在のマップは、護岸が壊れた場合も含めて被害を想定したものとして見ていただきたいと考えています。

「安心です」と言い切ることは難しいので、台風や災害情報には日頃から注意していただきたいという考え方です。

(自治会)

一番危険な状態の想定が示されていることは分かりますが、現実的にはこのくらいではないか、という目安の情報がほしいです。

その情報を自主防災会の中で共有し、どこに何人ぐらい避難してもらうかなど、地区の計画を立てたいと考えています。

あの護岸ができたことで、どれぐらい改善しているのかを知りたいという意向があります。

(芦屋市)

地域団体の中でそのような話をしていただいていることは、非常にありがたいと感じています。

一方で、いろいろな想定外も考えないといけませんので、「大丈夫です」とは立場上言いかねます。ただ、

以前に比べて護岸はしっかり強固になっているという事実はあります。

今後も、そうした状況も含めて、分かる範囲で情報発信しながら、防災情報に注意して備えていただきたいと考えています。

(自治会)

芦屋川の逆流対策や山火事の時の取水については、市で対応してもらっていると理解していますが、大きな山火事になった場合の避難所をどうするのか知りたいです。

西山幼稚園は山火事には向かないのではないかと感じており、例えば市民センターなど、地震以外の大きな火災時の避難所も検討してほしいと考えています。

また、雷について「基準は設けない」という回答は、少し冷たく感じています。

盆踊りや運動会などの地域のイベントのために、各コミスクや小学校に雷探知機を備えてもらえないかと思っています。

実際に三条コミスクでは購入しており、落雷位置もスマホで確認できています。

レベル4で中止、30分鳴らなければ再開など、役員が判断できる基準づくりに協力してもらいたい考えです。

最後に、災害時に屋根にかける大きなブルーシートの、市での備蓄状況を知りたいです。

自治会でもある程度は購入しますが、保管場所に限りがあります。

必要な方には「市役所に行けばもらえます」と案内できる体制があると助かります。

(芦屋市)

1点目の山火事については、消防等と情報を共有し、どこまで広がるかを見ながら避難所開設を臨機応変に判断していく考えです。

必要な場合は情報提供を行い、災害対策本部と関係機関が連携して、その時々の状況に応じて避難所を決めていきます。

2点目の雷の基準づくりは難しく、学校にも基準の有無を確認しましたが、参考になる事例はありませんでした。

そのため、現時点では具体的な基準をお示しできず、結果としてこのような回答になって
おります。

他市の事例など有用な情報を収集していきたいと考えています。

3点目ですが、現在、市ではブルーシートを備蓄していません。

限られたスペースの中で、食料や避難用品を優先して備蓄しているためです。

ただし、大きな被害で屋根の損傷などが出た場合には、資材としてブルーシートを確保し、提供できるような対応を考えていきたいと思っています。

(自治会)

あしや防災ポータルはとてもよくできていると感じていますが、高齢の方に本当に情報が届くのか心配しています。

パソコンは使えないという方も多い中で、そうした方にどう防災情報を伝えていくのかをお聞きしたいです。

また、最近はタイやベトナム、ミャンマーなどから来られた方が小さな団地に多く住んでおり、昔の防災ハンドブックにあった日本語・英語・中国語・韓国語だけでは実情に合わなくな
っていると感じています。

こうした外国の方々に、防災情報をどのように伝えていくお考えなのかも教えていただきたいです。

(芦屋市)

あしや防災ポータルを見ていただきありがとうございます。

ポータルで情報は集約できていると考えていますが、それをどう住民の皆さんに届けるかが今後の課題だと認識しています。

高齢の方も含め、あしや防災メールで毎月17日に意識啓発も兼ねた情報発信を行っていますので、まずはメール登録で受け取っていただきたいと考えています。

あわせて、広報あしやなど紙媒体でもお知らせしています。

外国人住民の方については、防災ポータルを7か国語に切り替えられるようにしており、多言語対応で情報が届きやすくなるよう工夫しています。

今後も、増えている外国人住民の方々にどう迅速に情報を届けるかは課題と受け止めており、ほかの自治体の取組も参考にしながら、改善を進めていきたいと考えています。

(自治会)

一時避難場所と避難所は用途が違うと考えていますが、芦屋市では42か所指定されているものの、一時避難場所と避難所がほぼ同じ場所になっている点が気になっています。

南側では潮見小学校・中学校・潮見集会所が指定されていますが、東日本大震災の映像では、3階・4階の小学校や役所も津波で流されており、浜の近くに住む者として不安を感じています。

一時避難については、小中学校や集会所ではなく、高いマンションを一時避難場所として指定し、市から自治会や管理組合と調整してもらい、そちらに避難できるようにしてほしい
と考えています。

(芦屋市)

一時避難施設は、津波が来たときに上階へ垂直避難するための「一時的な避難場所」として位置づけており、物資は置いておらず、一時的に身の安全を確保する場としています。

避難所は、拠点避難所を起点に、状況に応じて順次開設していく場としています。

南芦屋浜では、新しい護岸の高さも確保されており想定はしにくい部分もありますが、住民の皆さんが逃げられる場所の確保が重要と考えており、現在、南芦屋浜にできる商業施設等と、一時避難施設として提供してもらえないか協議しているところです。

民間マンションについては、理解を得る必要がありハードルもありますが、商業施設など民間建物とも協議しながら一時避難施設の拡充を進めており、一つ一つ改善していきたいと考えています。

(自治会)

一時避難は津波が引くまでの間の避難で、その後は通常の避難所へ移るものと理解しています。

そのうえで、潮見地区では緑町の中高層マンションが最も近いと感じており、そこを一時避難場所として使えるようにしてほしいと考えています。

芦屋市からマンションの自治会や管理組合と事前に調整し、了承が得られた場合は、市のマニュアルにも一時避難場所として明記し、避難場と一時避難場所の両方として位置づけてもらえるようお願いしたいです。

(3)テーマ3:発災中・発災後

(自治会)

在宅避難を選択した住民、特に支援が必要な住民に対して、食料や水などの物資支援はどのように行う想定でしょうか。

また、避難所の管理者とは具体的に誰を指すのでしょうか。

(芦屋市)

大規模災害時には避難所が混雑し、プライバシーの確保も難しくなることから、自宅の安全が確保できる場合は在宅避難も推奨しています。

ただし、「在宅避難すると取り残されるのではないか」という不安もあるため、市が避難所を開設した際には一度避難所に来ていただき、「どこで在宅避難しているか」を記入する避難者カードを提出してもらい、在宅避難者の所在を把握したいと考えています。

けがなどで避難所まで来られない方については、発災直後は対応が難しい場合もあるものの、その後、市の応援職員や協定を結んでいるNPO団体と連携し、物資の支援ができるようにする想定です。

阪神・淡路大震災以降、建物の耐震基準も厳しくなり強固になっていることから、在宅避難も一つの選択肢として想定しながら対応していきたいと考えています。

(自治会)

避難所の案内に「避難所の管理者の指示に従って対応してください」と書かれているが、この「管理者」が具体的に誰のことなのかを知りたいと考えています。

また、市が自宅避難を勧めていることは市長からも聞いて理解していますが、自宅避難をした場合に、個人で避難所へ行けば食料をもらえるのかどうかが心配です。

阪神・淡路大震災のときには、自宅で何とか持ちこたえた人が、避難所に山積みになっている食料を「ください」と言っても分けてもらえず、大きな不満が残った経験があり、今でも高齢の方からその話が出ますので、この2点をはっきりさせておきたいと思っています。

(芦屋市)

避難所については、本来であればすぐに職員が行けることが望ましいですが、発災直後に全ての避難所へ職員を派遣することは難しい場合もあると考えており、まずは地域の方々に避難所を開けてもらい、地域で運営を始めていただくことを想定しています。

そのうえで、職員が到着した段階で地域の方と一緒に運営を進めていく形を考えております。

在宅避難時の食料については、「在宅避難だと備蓄食料がもらえないのではないか」という不安の声が出ていることも踏まえ、避難所で「避難者カード」を書いてもらい、その人がどこで避難しているのか(自宅を含む)を記入してもらうことにしています。

このカードを書いてもらうことで、自宅で避難している人も避難者として同じように対応する考え方としており、水や食料も在宅避難者に行き渡るように考えています。

(自治会)

避難所の管理者について、もっと具体的に知りたいと思っています。

自分の経験では、避難所を管理するのは市役所から任命された職員2名であり、集会所でも市の職員が来て、集会所の管理人や役員には「帰ってください」という指示が出ていたと理解しています。

過去には、どこの課から誰が来るのかというリストも受け取っており、その2名が以後すべてを仕切るという説明だったと記憶しています。

小学校についても、校長は管理責任者なので入ってほしいと伝えたところ、「市から責任者が行くので、余計なことはしないでほしい」と防災課長に言われたことがありました。

こうしたこれまでの説明と、今回の説明が全く違うように感じており、防災課長が替わるたびに方針が少しずつ変わるのは非常に困るので、基本的な考え方をはっきりさせてほしいと考えています。

(芦屋市) 以前説明していた「避難所ごとに市職員2名を派遣する」という想定については、能登半島地震や大阪北部地震など最近の事例を踏まえると、発災直後に全41か所の避難所へ一斉に2名ずつ職員を送ることは現実的には難しいと考えています。

そのため、現在は、まず拠点避難所から順番に職員を派遣し、状況に応じて避難所を増やしていくという考え方に変えています。

集会所についても、拠点避難所がいっぱいになった場合などに、職員の参集状況を見ながら開設していく想定です。

管理者については、拠点避難所でも、まず地域の住民の方に避難所を開けてもらう取組を進めており、訓練の中でもその流れを確認していきたいと考えています。

発災後、職員が現地に到着した段階で、地域の方と一緒に管理を行い、その後は通常業務を担う市職員から応援職員へと役割を引き継いでいくことを想定しています。

時間の経過とともに、最終的には避難している住民の方々が主体的に運営していく形へ徐々に移行していきたいと考えており、管理者はこうした段階的な役割分担の中で、地域の方と市職員・応援職員が一緒に担っていく存在というイメージを持っています。

(自治会)

津波など大きな災害が起こった場合、国道43号線より南側の住民は北側へ避難してくると考えていますが、その際、阪神・阪急・JRの踏切付近などで混雑しないか心配しています。

特に打出商店街は道が狭く、人が集中した状態で踏切が閉まっていると非常に危険だと感じています。

このため、交通関係について、事前に鉄道会社など関係機関とどのような打合せや対策をしているのかを知りたいと思っています。

(芦屋市)

津波時に南側から北側へ避難が集中することは想定しており、国道43号や踏切周辺の対応については警察と協議を進めています。

職員も現場対応を行う予定ですが、発災直後はすぐに到着できない場合もあるため、警察が信号の停止状況などを見ながら、必要に応じて交差点や踏切付近に配置され、避難者の誘導を行うことになっています。

ただし、初動の一時的なタイミングでは人がいない場面もあり得るので、住民の方にも周囲の状況を見ながら、安全に配慮して避難していただきたいと考えています。

人命を最優先とし、警察とも「避難者の安全な誘導を行う」という方向性を共有しているところです。

踏切については、大きな地震が起きると電車が停止し、踏切が閉じたままになることが予想されます。

この点については、各鉄道会社と順次協議を進めており、先日は阪神電車と「踏切が閉じたままの状態になった場合の連絡訓練」も実際に行っています。

踏切が再び開くまでにはどうしても時間がかかると見込んでいますが、鉄道会社と連携しながら状況を確認し、安全確保に努めていく考えです。

(自治会)

阪神電車の高架化については、山中元市長や伊藤前市長の頃から、10年以上にわたって要望してきたという思いがあります。

打出付近の踏切の危険性なども、まちづくり懇談会の場で繰り返し訴えてきたつもりです。

都市部の高架化は国の政策として進めるべき社会インフラだと考えており、芦屋区間だけ阪神電車が地上を走り、踏切が残っている現状は芦屋の恥ではないかと感じています。

これまで「県と事業者で研究している」という同じ回答が10年続いており、やる気がないのではないかという疑問も持っています。

手続としては、芦屋市が議決し、県に申請し、そのうえで国の予算がつく流れと聞いており、
まず芦屋市が議決しなければ一歩も進まないと受け止めています。

そのため、髙島市長のもとで、この問題を一歩前に進めてほしいと強く願っています。

(芦屋市)

阪神電車の高架化は、国と県の予算が関わる大きな事業であり、国に上げていくべきテーマと考えています。

仮に今この瞬間に芦屋市が手を挙げたとしても、県の予算の制約が大きく、県内ではすでに2
か所で同様の事業が進んでいることから、3か所目を同時に進めるのは難しく、完成まで20〜30年かかると言われている状況があります。

ただし、だからといって何もしないわけではなく、今年度の予算で阪神芦屋駅周辺の交通状況を調査する事業を計上しており、現状の交通量や課題を把握したうえで、高架化が交通課題の解決策としてどの程度効果があるのかを確認したいと考えています。

まずは調査を行い、その結果も踏まえながら、高架化を含めて今後どうするかを検討して
いきたいと考えています。

(自治会)

阪神電車の高架化事業では、国が55%、事業者が10% 、残り35%を県と芦屋市が負担すると理解しており、芦屋以外の区間は高架化が進んでいると感じています。

芦屋では数年前に踏切で死亡事故も起きており、打出駅周辺の再開発も含めて、高架化は急ぐべき課題と考えています。

一般市で権限が弱い面はあるものの、市が強く県に働きかけなければ事業は進まないと思っており、芦屋だけが地上を走り続けることにならないよう、県へのアピールを一層強めてほしいと考えています。

4 懇談第2部:減災及び発災時の自治会の取組について(自治会同士の意見交換の場)

(1) はじめに

(天井会長)

芦屋は小さいまちですが、地域ごとに災害のあり方や危険度はかなり違うと感じています。

阪神・淡路大震災から30年近くたつ中で、当時の経験を若い世代にきちんと口で伝えてこなかったという反省が、今も自分の中にあります。

私の地域では、震災当時、最初は行政の支援がほとんど届かず、住民だけで動かざるを得ない状況でした。

日頃から顔見知りだった近所同士が声を掛け合い、町の区切りに関係なく、地域全体で助け合っていました。食料もお風呂もない中で、住民が自分たちで調達したり、簡易な設備をつくったりして、生活に必要なことを何とか補っていたという経験があります。

公的な支援としては、自衛隊が先に入り、その後に行政の支援が本格的に動き出したという流れでした。

しかし、そのときの写真や記録は、地域にも行政にもほとんど残っておらず、それだけ余裕のない中で必死だったのだろうと感じています。

だからこそ、この経験を何とか後の世代に伝えたいという思いが強くあります。

その一つとして、私の地域では、防災を意識した「雪まつり」という催しを続けています。

本来は「住民同士が結束し、いざというときに力を合わせる」という趣旨で始めたもので、毎年同じ時期に行っています。

ただ、続けるうちにだんだんお祭りのような雰囲気が強くなり、本来の意味が薄れてきている面もあります。

それでも、震災を通じて生まれた住民同士のつながり自体は今も続いており、その意味
では、まだ大事な取組だと感じています。

今日の第2部では、皆さんの地域それぞれの災害・防災の課題について、自治会同士で遠慮なく意見を出し合っていただきたいと思っています。

「避難場所」と「避難所」は本来意味が違うのに、一緒くたに語られることが多く、その違いをきちんと理解しておく必要があるとも感じています。

例えば、津波の心配がある地域では、「逃げろ」と言われても、実際にどこへどう逃げるのか、移動が難しい人をどうするのかという、現実的な課題があります。

皆さんの地域にも、同じような悩みや事情があるのではないかと思います。

ですので、今日は、ただ聞いて終わりではなく、「うちのところはこうなりそうだ」「うちはこういうやり方をしている」「こういう人が困っている」といった具体的な話を、ぜひ出していただきたいと考えています。

そのうえで、「それならこうしてみたらどうか」「こういう工夫ができるのではないか」といった知恵も出し合って、自治会同士・住民同士で中身のある話し合いにしていきたいと思います。

今日は、市長をはじめ行政の幹部の皆さんにも後ろで聞いてもらっていますが、ここでは、飾ったきれいな言葉ではなく、地域で暮らしている私たちの生の声をそのまま聞いてもらいたいという気持ちがあります。

忙しい中を調整して来てくださっていますので、これからも、できる範囲でこうした場に顔を出していただけるとありがたいと感じています。

少し長くなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

(2) 自治会員同士の意見交換

(自治会) 私の地域では、津波が来た場合に備えて、想定される津波の高さと、道路や建物の高さを照らし合わせながら考えるようにしています。

計算上は1階でも水が来ない高さにはありますが、それでも安心はせず、「津波のときは3階以上に上がる」というルールにしています。

そのため、1階の人は日頃から上の階の人と顔なじみになっておいて、いざというときには上の階に避難させてもらうという前提でやっています。

建物内の高い場所を避難先として決め、そこへ上がる訓練を、子どもも含めて自治会主体で繰り返しています。

こうした津波を想定した具体的な避難ルールと訓練に取り組んでいますが、ほかの自治会
ではどのようにされているかも伺いたいと思っています。

(自治会)

南芦屋浜について、津波そのものは、想定を聞く限りでは極端に心配していない面もあります。

ただ、「43号線以北へ避難」という表現は、現実的には行けるわけがない。

車も人も集中して、かえって危険になりかねないと思っています。

だから南芦屋浜は、島内で何とか避難できる場所を確保する方向で探しています。

マンションの会議室を貸してもよい、という話も出ていますし、市営・県営住宅の3階以上の活用も検討している。

ただし廊下の扱いなど課題もある。

ほかにも、高さのある施設は使えないかという話もしています。

実際に訓練をした自治会の例では、市営住宅まで移動するだけでも相当時間がかかり、高齢の方はさらに時間を要する。

島内避難ですら簡単ではないのに、43号線以北というのは非現実だと感じています。

また、新しく建設中の商業施設はしっかりした構造の建物になりそうなので、避難先として使えるよう、

市の方にも調整の後押しをお願いしたい。

事前の協議で自治会の意向を伝える枠組みは作っているので、今後は詰めていきたいと思っています。

(自治会)

来年3月までに防災策定プランをつくることになっていて、今取り組んでいます。

その中で、家庭の減災の実態がどうなっているかアンケートを回収してまとめているんですが、避難所を知らない、消火器を持っていない、といった意外な実態も見えてきました。在宅避難を進める上でも、まず足元の整備が必要だと思っています。

それから高齢者が多い地域なので、道路寸断、停電、家屋倒壊などが起きた場合に、病気や服薬、電気医療器具(酸素吸入器など)、携帯の充電ができないことによる連絡困難など、医療面で困ることが相当出ると思います。

これは自治会だけでは解決できないので、行政と医師会、薬剤師会などが協議して、緊急時の医療面の対応をある程度プランニングしていただきたい。

足の悪い方は病院にも行けない可能性がありますので、切にお願いします。

もう一点、こちらで防災ネットワークをつくろうとしています。

班長、役員、マンションであれば管理会社ともやり取りして、情報が回る仕組みをつくりたい。

ただ、災害時に「何を」「どう」双方向で流すのがよいのか、市が必要とする情報を、例えば必須の数点に絞ってでも示してもらえると、目的がはっきりして進めやすいと思ってい
ます。

(自治会)

奥池町では、自主防災会を強化するため、自治会役員10名に加えて、防災に関心のある住民を約10名募り、合計20名で再結成しました。

役員は毎年替わるので、関心のある方が残って組織を維持する形にしています。

それから、宝くじの助成金を活用して、市の防災安全課の指導も受けながら、デジタル無線機を20台購入しました。

戸建てが多く、危険地帯もありますので、住民が自宅周辺のリスクを確認し、防災会のメンバーは危険箇所を把握した上で、発災時は無線で状況を共有できるようにしています。

さらに、市内の別の地区の防災会とも同じ周波数で連絡できるようにして、主要道路が寸断された場合でも連携し、公助が届きにくい状況で支援を早くつなげたいと考えています。

もう一点、県道は生活の生命線で、通行規制がかかることも多い。

過去には連続豪雨で崩落したこともありましたし、最近も大きな落石の事例がありました。

県の所管ですが、強靱化工事や落石防止工事をどの程度進めているのか、市からも県へ強く働きかけていただきたいと思っています。

(自治会)

私の自治会では以前、7町で合同の自主防災訓練を行いました。

毎年同じ内容の訓練だと人が減っていくので、趣旨を変えて隣近所も合わせてやろうと始めたものです。

継続は難しくなりましたが、隣接自治会や自主防災会のメンバーと顔合わせができて、交流が生まれたのは大きな成果でした。

その後、避難所(小学校体育館)を住民が開設・運営する前提を知り、避難所開設マニュアルづくりを2019年から進め、コロナの影響もあって2022年に完成しました。縮小版を非自治会員も含めた全戸に配布し、助成金を印刷代などに充てました。ふだん自治会に入っていない方には情報発信の機会が少ないので、こういう形で接点を持ちたいという思いもあります。

ただ、避難所運営は「作ったメンバーがそのまま担う」とは限りません。災害時にどうなっているかも分からない。結局、世代交代した若い人たちへどう引き継ぐかが本当のテーマです。

日頃から周囲を巻き込んだ訓練や、マニュアルに基づく運営訓練が必要だと感じています。

(自治会)

第1ブロックでも雪まつりのような形で続けていますが、最初の意気込みが薄れて形骸化してきているのは事実です。

若い人は訓練というより「遊び」として参加している面もある。

ただ、遊びでも、顔をつなぐこと自体が大事で、その手段として意味があると思っていま
す。

避難所開設訓練についても、準備段階で意見が合わず頓挫する話をよく聞きます。

「とにかく集まってやろう」という考えと、「中身をきちんと整えよう」という考えで、イメージが違ってまとまらない。

働きながら協議時間を確保するのも難しいのが実情です。

だから、最初から完璧を目指してやろうとするのではなく、1つ2つでもよいので、まず集まってやる。

その積み重ねが大事だと思います。

発災したときは自助が第一で、次が共助です。公助はどうしても後になる可能性が高い。

どんな形でも自分たちで何とかしようという気持ちがないと難しい、というのは強く感じています。

(自治会)

私の自治会は、高齢者が「もうそんな先ないから」と言って防災に協力的でない面があったんですが、小学生の「語り継ぐ会」のような活動があって、折り鶴を教えてくれたり、追悼式で聞いたことを町内で話し合う会をしたり、そういう交流を少しずつ作ってきました。

それで、役員の世代が若返ったこともあり、子どもたちがやりたいことを行事に取り入れるようにしたら、「子どもの笑顔のためなら協力する」と言ってくれる高齢者が増えました。

老人会、子ども会、自治会の交流会をやると、子どもや親同士で「隣だから」という相談が自
然に出てきて、関係ができてくるんですね。

避難訓練も大事だけど、まず、つながりを作るところから始めないと進まないと感じています。

こちらは自治会長が女性に替わりました。

60歳代初めの方で、目線も考え方も変わりました。

子育て世代のつながりを通じて、集まりに人を連れてきたり、そこで出た意見を吸い上げて役員会に出してくれる。

これまでのやり方とは違う動きが出ています。自治会を会社運営みたいに硬く考えすぎると、地域の集まりとしては回らない部分もある。

柔らかく、集まりやすくする発想が必要だと感じました。

女性の視点は、見落としがちな生活の細部に目が届くので、成果が出ていると思います。

(自治会)

避難所の運営では、阪神・淡路のときもそうでしたが、授乳のこと、生理のことなど、女性の課題がたくさん出ます。

ですから、女性をリーダーの中に入れるのは大事だと思います。

(自治会)

自主防災会を再編成する中で、けが人が出たときに救急処置ができる人が町内にいるか、実はみんな知らない、というのが課題でした。

今、その把握を進めています。

それと、組織をがちがちに作ってしまうと、災害が昼間に起きた場合に、働き盛りの人が町内にいない。

年配の方や女性が中心で運営しないといけない状況になります。

そういう状態でも本当に回る体制にしないといけない、と感じています。

(自治会)

うちは小さな町ですが、班を分けて、救護班に看護師さんや整形外科の整体師の方を入れるなどして体制を作っています。

発災で実際に動いたわけではないんですけど、こういう形は参考になると思います。

(自治会)

医者の話ですが、町内に医療関係者がいても、発災時はまず職場である病院へ行くのが先決という方が多く、居住地で手伝うのはなかなか難しい、という現実があります。

自営なら多少時間が取れる場合もあるけれど、資材が家にあるわけでもなく簡単ではない、という話も聞きます。

それから訓練について、「同じことを繰り返しておもしろくない」という声もありますが、逆に「同じことを繰り返すのは当たり前で、心構えを思い出して気を引き締め直すことが大事だ」という意見もありました。

「いついつ訓練します」と呼びかけること自体に意味がある、ということです。

(自治会)

30年前の阪神大震災は経験しています。

当時は防災組織が整っていたわけではないけど、隣近所で助け合って、ぎりぎりの状況でや
っていました。

だから、まずは自助、共助で、ベースは地域のつながり、昔で言う地域社会が大事だと思います。

防災会や組織、イベントも大事ですが、これはアクセントです。

自治会の参加率・組織率が下がっている現実の中で、組織が本当に機能するのか、機能させるにはどうするのか、限界も含めて考えながら実態化していかないといけないと思っています。

(自治会)

医者との連携について、町内に医療ビルがあるので自治会として
相談に行くことはできるかもしれない。ただ、これは自治会だけで話
し込む問題ではないと思います。行政と自治会の緊急時対応の枠組み
の中で、どう連携するのか、指針があったほうがありがたいと思いま
す。

5 閉会あいさつ

〇芦屋市長 髙島 崚輔

本日はありがとうございました。

各自治会や自主防災会でさまざまな取組があり、若い世代や、ふだん自治会に参加しない方々も巻き込もうとしている点がとても良いと感じました。

市民の皆さんの取組があってこそ、災害に強い芦屋が少しずつできていると思います。

率直に申し上げると、災害時に役所ができることには限りがありますが、逆に役所にしかできないこともあります。

例えば自衛隊とのやり取りや、受援として他自治体から応援を受ける調整などは、市が責任を持ってしっかり行います。

一方で、避難所運営や日々の助け合いは、地域の皆さんのほうが熟知しているところが多いと思いますので、平時のコミュニケーションを大事にしながら、地域の防災計画づくりも含めて市も一緒になってサポートしていきます。

最後に発信の話ですが、防災情報のポータルはスマホで見られて便利ですし、日々の災害情報も出ていますので活用いただければと思います。

紙しか見ないという方もおられるので、例えば「芦屋市べんり帳」にも防災情報や、防災ポータル、メール配信サービス等を載せています。

ぜひ見ていただき、各自治会でも周知いただけますと幸いです。

本日はありがとうございました。

〇芦屋市自治会連合会会長 天井 裕一

本日は、まちづくり懇談会として、第2部で率直な意見交換ができたと思います。

形だけの話にとどまらず、現場の実感や本音が出ることが、この場の意味だと感じています。

今日出た意見や気づきを、今後の地域の取組や連携につなげていきたいと思います。

本日はありがとうございました。

― 以 上 ―